文章トレーニングで
頭脳明晰、表現力豊かに
あなたは文章に自信を持っていますか?
文章を書き慣れていない方のほとんどは、自分の考えや気持ちが十分に伝わるかどうか、自信がないのではないでしょうか。また、自分の文章がどこか幼稚ではないか、文法的におかしな文章を書いているのではないか、などと不安を感じる方も少なくありません。
そんな皆さんが文章をもっとうまく書くにはどうしたらよいでしょうか。
文章の上達に必要なことは、文章の書き方の基本を身につけた上で、実際に文章を書き続けていくことです。しかし、ここでは文章の技術的なことは後回しにして、文章を書き始める前の基本的な態度、心がまえのようなものからお話しします。どんなに文章のレトリックのようなものを身につけても、「人にわかりやすく、正確に伝えるという心」がなければ、人はその文章をしっかりと読んではくれません。
文章とは自己表現ではなく、読者サービスである
人にはいろいろな自己表現欲求があります。格好いい文章を書きたい。自分の考えや体験が素晴らしいことをアピールしたい。頭がよく見える文章を書きたい…。そうした欲求を間違いとは言いませんが、その前に忘れてはならないのは、文章は読む人のためにあるということです。文章が読者サービスである以上、自分の書いたものがどんな人にどのような態度で読まれるかを想像して書かなければなりません。自己表現は、あなたの体験や考え方の中にあるのであって、文章そのものを自己表現と考えてはいけないのです。文章は詩歌ではないのですから…。そこで、読者のための文章を書くためには、次のような心構えが必要です。
1.書き出しの数行で、興味深いテーマを提示する
2.想定される読者に、わかりやすく説明する気持ちで書く
3.常にテーマを意識し、わき道に迷い込まない。
書き出しの数行で、興味深いテーマを提示する
いくら読み進んでも、テーマらしきものが見えてこない文章をよく見かけます。自分がどこに向かっているのかわからなければ、歩くのをやめてしまうでしょう。「この人、いったい何が言いたいの?」と思われてしまったら、もうそこでおしまいです。
そこで文章では、冒頭の数行で読者の気持ちをつかむことを考えなければなりません。例えば小論文のようなものなら、最初に問題とするテーマと、それに対する自分の考えを手短に述べた後で、問題点や今後の展開法についての道筋を示唆します。また、エッセイなら興味深い自分の体験や、社会的な出来事、自然界の不思議な現象などを示しながら、最も伝えたいテーマに早い段階でつないでいきます。
想定される読者に、わかりやすく説明する気持ちで書く
よい文章とは何かと問われれば、現代では「わかりやすい文章」であることが真っ先に挙げられます。その昔もてはやされた美文調や漢文調は時代遅れですし、霞が関の官僚が書く、持って回った玉虫色の文章も、人の心に届かないどころか、嫌悪感を抱く人も多いでしょう。わかりやすい文章を書くためには、具体的な読者を想定した上で、説明が舌足らずにならず、さりとて過剰にもならないように注意しなければなりません。文章表現に気どりが加わると、明快さが損なわれますので、気をつけましょう。もちろん、心がまえだけで明快な文章が書けるわけではないので、わかりやすい文章を書くための文章得本のたぐいには、一通り目を通しておく必要があります。
☆関連サイト⇒ 文章力アップの方法
常にテーマを意識し、わき道に迷い込まない
文章では、一つのタイトル(または見出し)の中では一つのテーマに絞るのが原則です。ですから文章を書く前に必ずテーマを示す「仮のタイトル(見出し)」を決めておく必要があります。正式なタイトルは、書き終えてからもう一度それでいいかどうか検討をします。
なぜ、先にタイトルを考えるかというと、テーマを明確化し、わき道に逸れないためです。でも、それでも時おり、文章が枝葉に迷い込んでしまうことがあります。書いているうちに気持ちがわき道のほうに向いてしまうせいですが、もしもわき道のほうがテーマより魅力的なら、テーマそのものを見直す必要があります。そうでないのなら、枝葉の内容はできるだけ省き、入れるのなら少なめに、さらりと「軽くコショウを振る程度」にしておきたいものです。それが「隠し味の効果」を生むかどうかが、判断の分かれ目となります。
文章がうまくなるために必要な技術とは
①文の構造と悪文について
文章の初心者は文章以前の、個々の文の構造や文法的なことを頭に入れておく必要があります。特に、意味が分かりづらい長すぎる文や、修飾語などに重複表現のある文、文法的におかしい「ねじれ文」などを書かないようにすることが、文章上達の第一歩です。
☆関連サイト(ページ)
⇒修飾語で気をつけること 文の種類とねじれ文が起こる仕組み
②読みやすい文章を書くために
読みやすい文章の基本はいろいろありますが、文と文との意味的つながりや、論理関係を表わす接続詞、適切な読点、段落などが大事です。接続詞の多用はくどくなりまし、段落のない文章は読む人に苦痛を与えます。
☆関連サイト(ページ)
⇒接続詞―用途別6つのパターン 読点の打ち方―10パターン
③文章を書くまでの準備
文章を書く時に何の準備もせずに、思いついたところから書くのは無謀で、文章の達人でない限り必ず行き詰ります。まずはテーマ探し、次に思いついたことのメモ、そして構成案の作成へと進みます。また、テーマによっては資料の収集も必要になります。
☆関連サイト(ページ)
⇒文章のテーマの探し方 文章を書き始める前にする準備について
④文章の構成と書き出し
文章の構成といえば起承転結が有名ですが、これは4行詩にぴったりの形式で、長い文章にはあまり向いていません。文章では3部構成が書きやすく、4部構成では小論文における「問題提起、意見の骨子、展開、結論」というパターンがおすすめです。
また、文章の書き出しは、わかりやすく短い言葉が大切で、あまり凝るのはわかりづらい不自然なものになりがちです。エッセイと小論文では書き出しのパターンは異なります。
☆関連サイト(ページ)⇒三部構成の文章(序破急/序論・本論・結論)
エッセイの書き出し 5つのパターン
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