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記憶術の歴史/古代ギリシャから現代まで

INDEX (各ページの簡単な内容紹介は下段)
シモニデスの記憶術―古代ギリシャ
キケロの記憶術―古代ローマ
記憶術ルネッサンス/記憶術の盛衰
「物覚え秘伝」と基礎結合法―記憶術は江戸時代から?
 明治に花開いた記憶術&和田守式記憶術
“渡辺式”の生みの親、井上円了の記憶術
記憶術世界一、石原誠之と心理学者

昔の人は、古事記やホメロスの長編詩をどう覚えたか?

 
 人類に文字がなかった時代、あるいは文字はあっても紙がなく、石や木片に文字を刻んでいた時代に、人々は自分たちが得た膨大な知識や歴史をどのように後世に伝えていたのでしょうか?

 日本には語り部といわれる記憶の専門家がいて、古事記などの膨大な物語を一字一句違わず暗唱していました。

 それよりも時代がさかのぼる紀元前8世紀頃の古代ギリシャには、ホメロスという詩人がいて1万6千行にもなる長編詩イリアスを書きました。これを全部上演するには4、5日はかかっただろうと言われます。出演する人はそれをすべて記憶していなければなりませんでした。

 彼らは奇跡的ともいうべき記憶力の持ち主だったのでしょうか。それとも今日でいう記憶術を使っていたのでしょうか。いいえ、どちらでもないようです。

 古事記やギリシャの長編詩は、どちらも生き生きとした物語です。ストーリーの流れを頭の中に画像のように鮮明に記憶することによって、長い文章や詩を覚えたに違いありません。これが難解な哲学書のようなものだったら、覚えるのに数倍以上は苦労したことでしょう。

記憶術と口承文学の違い

 いろいろな具体的場面が頭に描きやすい物語の記憶は、記憶術の方法とよく似た面があります。それは記憶術も頭に視覚的なイメージを描いて覚える方法だからです。でも、記憶術には決定的に違う技術があります。その技術があるからこそ、記憶術は絵物語だけではなく、政治的・思想的な演説も丸ごと覚えることができるのです。

 この記憶術は、先のホメロスを生んだ古代ギリシャで発明されました。紀元前5~6世紀頃に詩人としてはあまり知られないシモニデスという人がいましたが、この人が歴史に残ったのは、彼の記憶術の方法が大地震の記録と共に残っていたからです。

 詳しいエピソードは次のページ「シモニデスの記憶術―古代ギリシャの偉人」をお読みいただくとして、ここでは現代まで受け継がれた彼の記憶術がどういうものだったかを簡単に説明します。

 シモニデスの方法は、家の中の家具調度品などに番号を振っておき、ここに覚えるべき項目を順番にイメージによって結び付けて記憶するというものでした。

  シモニデスの方法(基礎結合法の原型)を現代風に再現すると

 自分の家の任意の部屋の入り口から順番に、次のようなリストを作っておきます。例えば次のような要領です。順番を絶対に忘れないものなら、道順などどんなものでも大丈夫です。

  ①本棚、②テレビ、③掛け時計、④額絵……(以下20個くらい作ると便利)

 覚えるべき項目が、①安藤さん、②斉藤さん、③坂本さん……だとすると、

 ①本棚―安藤さん、②テレビ―斉藤さん、③掛け時計―坂本さん……

【覚え方】
 本棚の上に安藤さんがよじ登った。
 ②テレビの中から斉藤さんが飛び出した。

 (以下略)

…とこんな具合に記憶するわけですね。記憶術の方法はこのように非常に単純ですが、イメージの描き方や結び付け方にノウハウがあり、たくさんの項目を一度に確実に覚えるためには、それなりの練習と上級テクニックが必要です。

〔各ページの内容紹介】

シモニデスの記憶術―古代ギリシャ
 記憶術を発明した古代ギリシャ人と、記録に残っている詩人シモニデスの記憶術のエピソードを、その方法と共に紹介しています。

キケロの記憶術―古代ローマ
 古代ギリシャから一冊の本によって帝政ローマに伝えられた記憶術は、弁論家キケロなどによって実用的に大きく発展し、後世に伝えられました。

記憶術ルネッサンス/記憶術の盛衰
 西洋の記憶術はローマ帝国での発展の後、中世になって衰退しましたが、ルネッサンスの時代に再び花開き、脚光を浴びました。

「物覚え秘伝」と基礎結合法―記憶術は江戸時代から?
 明治時代に書かれた記憶術の本に「江戸時代から伝わる物覚え秘伝」が紹介されていましたが、それはワタナベ式記憶術の基礎結合法と同じものでした。

明治に花開いた記憶術&和田守式記憶術
 日本の記憶術は明治20年代に華々しくブームになり、西洋の翻訳本を含め多くの記憶術本が出版されました。その方法とは…

“渡辺式”の生みの親、井上円了の記憶術
 ワタナベ式記憶術のルーツとされる井上円了(明治の仏教哲学者)の記憶術について、さまざまな角度から紹介しています。

記憶術世界一、石原誠之と心理学者
 昭和の初期に世界一の記憶術家と謳われた石原誠之という人がいました。この人の恐るべき能力を研究した、当時の心理学者の成果を紹介しています。

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