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大脳各部の名称・働きと海馬・扁桃体

脳の80%は大脳、その他に小脳、脳幹がある

 
 人間の脳の80%は大脳で占められています。そのため、「脳」といえば普通は大脳のことを指しますが、その他に小脳と脳幹があります。ここでは大脳の仕組みについて、いろいろな部位別に説明していきますが、その前に小脳と脳幹について簡単に触れておきます。

小脳の働き

 小脳には、大脳からの大まかな運動指令を、細かな筋肉の動きに調整して体を動かす機能があります。平衡感覚と視覚の情報を複合的処理して、バランスを保つのも小脳の働きで、鳥類や猫などの動物では特にこの機能が発達しています。

脳幹の働き

 自律神経系やホルモン系の働きを司る器官で、生きるための基本的な機能を担っています。具体的には、呼吸、体温、睡眠、性機能などの中枢として働いています。

大脳(前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉)の機能

 大脳は前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉の4つに分けられますが、それぞれにはさらに特有の機能を持った部位がいくつかあり、大脳生理学では次々と新しい事実が発見されています。ここでは知的な活動に関係するものについて、大まかに説明します。

 下の図は、大脳の「地図」を大雑把に表したもので、左側側面から見た図になっています。本文を見ながら参照してください。


前頭葉

 前頭葉は前頭前野と運動野に分かれます。一般向けには前頭前野のことを略して前頭葉と呼ぶことが多いのでご注意ください。

前頭前野
 前頭前野は、前頭葉に額に近い部分で、大脳の司令塔ともいうべき機能を持っています。前頭葉は思考や理性を制御しており、意欲や計画、実行などにかかわっています。つまり、人間らしい生活をするために欠かせない機能を持っているといえるでしょう。前頭葉に問題が生ずると、我慢することができなくなって感情のままに行動したり、意欲を喪失してしまったり、さまざまな弊害が生じることが知られています。
 なお、脳内物質のドーパミンは報酬、注意、長期記憶、計画、意欲に関係するとされますが、大脳皮質のドーパミン感受性ニューロンの大半は前頭前野に存在します。

ブローカ野
 前頭葉には、ブローカ野といわれる運動性言語中枢があります。この領域は唇やのど、舌を動かして言語を発する役割を担っているほか、手話を理解して行う機能もあります。ただし、言語を聞いて理解する機能はブローカ野にはなく、側頭葉のウェルニケ野(後述)がその役割を担っています。

頭頂葉

 頭頂葉には体性感覚野感覚連合野があります。体性感覚野とは、皮膚感覚や深部感覚(位置、動き、力、重さなどの感覚)に関与する領域。感覚野はそれ以外の、視覚、聴覚、嗅覚、味覚などに関与する領域のことです。

後頭葉

視覚野
 後頭葉の下部には、網膜に投影された視覚情報を知覚処理する、視覚野という領域があります。

側頭葉

ウェルニケ野
 側頭葉にはウェルニッケ野と呼ばれる感覚性言語中枢があります。上述のブローカ野が言葉の発声に働くのに対し、ウェルニケ野は聞いた言葉の理解に働きます。

記憶を司る大脳皮質、海馬と、情動を司る扁桃体

 記憶は大脳の機能の中でも最も重要なものです。その中でも「脳のしわ」がある大脳皮質は、記憶を蓄えておく場所として知られていますが、新しい記憶を脳に入力する装置は大脳皮質にはなく、大脳辺縁系にある海馬(かいば)という小さな器官が行っています。その際、海馬に大きな影響力を与えているのが、その隣にある扁桃体(へんとうたい)です。

 私たちの目や耳、鼻、口、皮膚(五感)から入ってきた感覚情報が記憶されるためには、いったん海馬というタツノオトシゴ(漢字表記=海馬)に似た形の器官を通る必要があります。海馬はパソコンにたとえれば一時ファイルのような場所です。

 海馬に一時的に記憶された記憶のうち、長期にわたって記憶すべき情報は大脳皮質に送られて、晴れて長期記憶として定着します。この際、記憶の形成には海馬の隣にある扁桃体という器官も大きくかかわっています。

 扁桃体は情動を司っており、日常生活の中での喜怒哀楽や好き嫌いの感情の源となっています。記憶の形成にそうした感情が影響しているのは特筆すべきことです。また、扁桃体は前頭葉にも影響しており、前頭葉は記憶にも関係しています。


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