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「物覚え秘伝」と基礎結合法
     ―記憶術は江戸時代から?

 
 日本ではいつ頃から記憶術があったのかははっきりしません。並外れた記憶力の持ち主としては稗田阿礼(ひえだのあれ)が有名ですが、現在、世界中で使われている記憶術と同じ方法で覚えた可能性は極めて低いでしょう。

 さて、江戸時代に「物覚え秘伝」という記憶術の秘伝書が書かれた記録があるそうですが、おそらくそれが最古でしょう。明治に入って書かれた本の中にも、昔から伝わる秘伝として、自分の体の一部に順番に覚えるべき項目を結び付けていく方法が示されており、記憶術は江戸時代からごく限られた人の間で知られていたと考えられます。

体に結びつける方法とは(基礎結合法のやり方)

 体に結び付けて覚える方法は、記憶術のやり方を説明する初歩の段階で必ず登場してくるので、ここで簡単に説明しておきましょう。

 まず、体の部分を上から順番に、①あたま、②ひたい、③目、④鼻、⑤口、⑥あご…というように番号をふっておきます。

 次に、覚えるべき単語を①番から順番に視覚的なイメージを描きながら、結びつけて行きます。
たとえば、覚えるべき項目が①ニンジン、②かぼちゃ、③ねぎ…だとすると、次のようにします。

 の上にニンジンを突き立てた。
 ②ひたいかぼちゃをぶつけた。
 ③ねぎをでふさいだ。


 イメージの結びつけ方にはいろいろなテクニックがあり、やり方次第で強くも弱くもなります。だから、この方法を知ったからといってすぐに記憶術がすんなりとできるわけではありません。

 しかし、2つの言葉を強いイメージで結びつける技術を身につけると、体に結びつけるこの方法で15個くらいのものは一発で覚えられます。また、通い慣れた道順などのリストを作れば、一度に100項目くらい記憶できます。

 記憶術の名称について

 上の方法は、ワタナベ式で有名な故・渡辺剛彰氏(あるいは父親の彰平)が基礎結合法と名づけたものと同じです。ちなみに、絶対に忘れないもののリストをワタナベ式では「基礎表」と呼んでいます。

 基礎結合法の名称は一番普及しているので、本講座でも名称を使わせていただいていますが、この他に古代ローマで発展したことにちなんで「ローマン・ルーム法」という名前もあります。これは体の部分ではなく、大邸宅の室内の柱や窓、調度品などに結びつける方法が名前に残ったものでしょう。翻訳書の影響です。

 明治20年代には、欧米の翻訳書も含めてたくさんの記憶術本が出版されました。その中に和田守菊次郎という人が書いた「和田守式記憶法講義」という本があり、同じ方法が「帳簿法」と名づけられています。今日、「場所法」という名称も聞きますが、これも基礎結合法と同じもので、当然ながら江戸時代の秘伝やローマ時代の方法、さらにさかのぼってギリシャのシモニデスの方法と同じです。

 新しい名称を与えると、あたかもその人が考案した記憶術であるような錯覚を与える効果がありますが、読者は混乱するばかりです。日本でもそろそろ、統一した名称が欲しいですね。覚える事柄を結びつけるべき「基礎の表」の内容が変わっても、基本的な方法論が変わるわけではありませんから、名称は「場所法」や「ルーム法」のような発想ではないほうがよいと思うのですが…。例えば、「アドレス法」「番地法」などとすれば、あらゆる種類のリストに対応できます。

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