物覚えが悪いのは
記憶力のせいじゃない!
記憶力以外の能力で差がつく暗記競争
勉強が苦手…物覚えが悪い…。そんなふうに思っているあなた。
それは記憶力が悪いせいではなく、別の理由がいくつかあるのです。そのことに気がつけば、あなたは別人のように勉強が得意になります。
記憶力以外の要素は、①好奇心や知識欲、②報酬、③すでにある知識、④理解力と読解力、の4つです。順番に説明していきます。
①好奇心や「知りたい」という気持ちが差を生む
たいていの方は気がついていると思いますが、興味のあることはすぐに覚えられ、興味のないことはなかなか覚えられません。学校の勉強は、頭(理性)ではしなければならないと思っていても、心(感情)が「つまらないなあ」と感じていると、なかなか集中できず、覚えるのに時間がかかってしまいます。また、せっかく覚えても、感動がないので脳に深く記憶が刻まれず、早く忘れてしまいます。
でも、面白いことや心から知りたいと思うことは、気持が集中しますから、自然に覚えられます。「面白いなあ」とか、「そうか、そうだったのか」といった感動を伴いますから、記憶が脳に深く刻まれ、なかなか忘れにくくなります。
ですから、いろいろなことに好奇心を持ち、知識欲が旺盛な人は結果的に「物覚えがよい人」ということになるのです。単純な、機械的記憶力は若いうちはそれほど能力に差がありません。差がつくのは、好奇心や知識欲といった心の違いのせいなのです。
②人は報酬が得られると能力を発揮する
人は何かがもらえると思うと頑張ります。同じ能力があっても、報酬の有無が集中力に大きな影響を与え、記憶力やアイデア力などに大きな差を生むのです。報酬はお金や物など即物的なものとは限りません。例えば、一番になりたいといった名誉も報酬の一つですし、志望する高校や大学に合格するのも大きな報酬になります。
また、親にほめられるとか、尊敬する先生にほめられるというのも、人によっては報酬の一種になります。心理学では、好奇心を満たすことも「自分への報酬」と考えるのが常識です。
近年は「自分へのごほうび」として、おいしいものを食べたり、欲しかったものを買ったりするのがはやりのようです。これをうまく利用すれば、「勉強の成果が出たごほうび」を頑張った自分のあげる、という方法も学習効果を高めるでしょう。
③すでに知っている知識の差
さまざまな言葉を丸暗記する際、すでに獲得している知識の多少で、覚えるスピードや確実性に差が出てくることは確かです。たとえば、「野菜の名前を20個覚えるのは簡単だが、聞いたことのない深海魚の名前を20個覚えるのは、その何倍かの時間がかかる」というようなことです。得意な分野はどんどんと得意になって行き、苦手な分野はどんどん苦手になってしまうからくりがここにあります。その悪循環を断ち切るのは、先に述べた「好奇心、知識欲」と「報酬」です。
④理解力や読解力の差
学校の勉強では、物事に対する理解力や文章の読解力によって、覚える能力に差が生じてきます。理解できないことを覚えるのは、何倍も努力が必要になってくるのです。だから、国語力の中でも特に読解力と漢字能力を高めることが、暗記力のアップにつながります。それと共に数学的な思考能力や図形・空間的な認識力など、記憶力とは異なる能力も、実は理解を速めることによって覚えることを助けているのです。
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