記憶術やり方MOMEへ
記憶術のやり方&脳の鍛え方 記憶術の原理とやり方を種明かしします
 
暗記、記憶&記憶術用語集3【さ行】
記憶の仕組み脳の使い方集中力勉強法語呂合わせ記憶法難読漢字テスト記憶術の効果と目的
記憶術の種類と方法記憶術の歴史記憶術入門・基礎講座イメージ変換法の技術イメージ連結法の技術基礎結合法の応用技術法

暗記、記憶&記憶術用語集3 【さ行】

 
  あ行  か行
  さ行(本ページ) た行
  な・は行  ま~ら行

      ◆ ◆

 記憶に関する用語を、初歩的な心理学や大脳生理学など科学的な見地から解説したものです。
 併せて暗記や記憶術に関する用語も加え、読み物としても楽しめるように編集しました。

再生

 一般的な意味はいうまでもなく、生き返ること、生き返らせることであるが、記憶に関連する意味では、録音・録画された音声や映像を再生するように、脳から記憶を取り出して再現することをいう。記憶は大脳生理学(脳科学)的には、①獲得、②固定、③再生、の三段階に分かれる。再生は記憶の最終段階であり、再生されて初めて、「覚えている」ということになる。

左脳

 大脳は右半球と左半球に分かれており、真ん中に両者をつなぐ脳梁(のうりょう)がある。右と左では役割が異なり、左脳では言語、計算、論理などを受け持つ。一方、右脳は図形や映像、音楽、空間認識などアナログ的な役割を果たす。そのため、左脳をデジタル脳、右脳をアナログ脳などという場合もある。世間で「頭がよい」という場合は、左脳の働きがよいことを言っている。

シナプス

 神経細胞がお互いに情報交換をするためのつなぎ目。脳では、このシナプスが細胞間をつなぎ、神経回路を形成する。細胞間は電気的には遮断されており、シナプスは神経伝達物質による化学信号を送ることによって、神経細胞間の情報を伝達する仕組みになっている。シナプスの数が増減を繰り返し、形を変えることによって、脳は学習、運動、記憶などを行っていると考えられている。

シモニデス

 紀元前5~6世紀のギリシャに生まれた抒情詩人。「記憶トレーニングの父」と呼ばれる。シモニデスは、今日の記憶術でいう場所づけ法(あるいは基礎結合法)の元となった「座の方法」および「フックの方法」を使っていた。ある日、大地震で宴会に出席した人々全員が死んで、見分けもつかなくなったとき、運良く一人だけ助かったシモニデスが、参加者全員の席順を正確に覚えていた。このエピソードによって、彼の名は記憶術とともに後世に伝わることとなった。

習慣

 長い間繰り返されることによって、決まりごとのようになっている行いのこと。ある習慣が特定の集団にとって当たりまえのようになっている場合は、慣習という。習慣は何度も繰り返し学習されることによって、努力せずにできるようになる。ときにはほとんど無意識に行うことができるのが習慣である。習慣は、体で覚える手続き記憶や、体験に基づくエピソード記憶が関係している。

周期律表記憶法

 元素の周期律表の覚え方では、有名な語呂合わせ記憶法がある。「水兵リーベぼくの船、七曲シップスクラークか…」というものだが、時代や地域によって若干異なるものもある。周期律表は1番から順番に覚えるのも意味がないことはないが、縦に並ぶ元素に共通する性質、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、希ガスなどを、その性質も含めてグループ別に覚えることのほうが大事である。

集中力

 ある一点に意識や神経を集める力のこと。心理学的には、ある一つのものを選び、他のものを抑制ないし排除する心の働きを集中力という。いろいろな話し声や雑音の中から、一人の人の言葉だけを聴き取ることができるのは、集中力の働きである。したがって、集中力はだれにも備わっている能力である。集中力は面白いことや興味のあることには向きやすく、いやなことには集中できない。また、達成感や、達成したときの報酬など、やる気を出す動機があると集中力は発揮されやすい。

情動

 感情のこと。不意に引き起こされた一時的な喜怒哀楽というニュアンスが強い。情動は、脳では扁桃体という小さな器官によってつかさどられている。コアラを好きになったり、チーズ味を好んだりするのはこの扁桃体の働きである。扁桃体は記憶にも影響を与えており、強い情動が働くと記憶も強固なものになる。好きなことには集中でき、よく覚えられるのもそのためと考えられる。
 この性質を利用し、覚える際に感情移入をするのは、記憶術の技法のひとつである。

神経伝達物質

 神経細胞から放出された電気信号を、神経細胞のつなぎ目であるシナプスという器官で化学信号に変えて伝達する物質の総称。物質によって働きは異なり、たとえばドーパミンは運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わり、アドレナリンはストレス反応に、セロトニンは消化管の運動や精神活動に関係している。記憶に関係する脳内物質としては、グルタミン酸やアセチルコリンが有名。記憶の保持を阻害するものとしては、β-エンドルフィンやモルヒネなどがある。

世界記憶力選手権

 1992年、脳や記憶、学習法の世界的権威であるトニー・ブザン(英国)らが中心となって開かれた、記憶能力を競う世界大会。言葉や人の顔と名前、数字、日付、カード(トランプ)など10の種目がある。決まった時間内にどれだけ多く覚えられるかの競技や、決まった量の情報をいかに短い時間で完全に覚えるかの競技がある。この大会で決勝に残るには、たとえば1組のバラバラなトランプの順番を3分以内に覚えられ、紙に書いた700ケタの数字を1時間以内で覚えるレベルでなければならない。

ストーリー

 物語のこと。何の関連性のない断片の集まりよりも、ストーリー性を持った事柄のほうが記憶しやすく、しかも忘れにくい。世の東西を問わず、昔話にはイメージ豊かなストーリーとしてのエキスが詰まっている。文字のない時代の語り部などが膨大な記録を記憶できたのも、このストーリー性にあったと考えられる。記憶術はそうしたストーリーのイメージ力を利用した暗記法である。

前頭葉

 大脳の前の部分。運動の準備や遂行に関わる運動野・運動前野と、その前にある前頭前野に分けられるが、通常は前頭前野のことを前頭葉と称することが多い。前頭前野は意欲や計画・創造、実行をつかさどっており、また情動に関係する記憶もコントロールしている。いわば、大脳全体の司令塔の役割を果たしている。
 記憶術はイメージの力を利用するため右脳記憶法などといわれることもあるが、実際には、創造に関わり脳全体を指揮している、この前頭葉を駆使して覚える技術である。

側頭葉

 大脳の両側面に位置している部分。聴覚や嗅覚の情報を処理しており、言語、記憶、判断、感情などをつかさどっている。右半球の側頭葉と左半球の側頭葉では役割が違い、たとえば人の顔は右の側頭葉で覚え、名前は左の側頭葉で覚える。側頭葉は前頭葉と密接に関係しており、前頭葉の指揮のもとで働いていると考えられている。


   あ行 か行 さ行 た行 な・は行 ま~わ行 HOME