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暗記、記憶&記憶術用語集2【か行】
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暗記、記憶&記憶術 用語集2 【か行】

 
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 記憶に関する用語を、初歩的な心理学や大脳生理学など科学的な見地から解説したものです。
 併せて暗記や記憶術に関する用語も加え、読み物としても楽しめるように編集しました。

回想

 過ぎ去った出来事を思い起こすこと。一つの出来事を思い出すと、次々とさまざまな人々や情景、出来事が思い出されるのが特徴で、ときには忘れていたことを思い出すこともある。経験が映像としてストーリー化されている回想タイプの記憶は、記憶術のテクニックとしても応用されている。

海馬

 海馬(かいば)は、形が海馬(タツノオトシゴ)に似ているところから名づけられた。1千万個の神経細胞からなる小さな器官ながら、記憶に関して最も重要な役割を担っている。
 目や耳など、五感からの感覚情報は一時的に海馬に整理されて保存される。一時保管された記憶のうち、長期に記憶する必要があるものは、大脳皮質に送られて保存される。パソコンにたとえるなら、海馬は「一時的なメモリー」、大脳皮質は「名前をつけて保存する」に相当する。

学習

 一般的には、何かを学んで、理解したり記憶したりすることだが、狭い意味では学校などの勉強のことをいう。心理学では、勉強以外のこと、たとえば自転車や料理なども学習の中に含まれる。効率的な学習は、時間を置かず続けて集中的に行うよりも、間隔をあけて時間を分散して行うほうが、学習効果が高い。学習法にはいろいろあるが、知能や年齢、習熟度、科目、学習内容などによって効率的な方法は変わる。

獲得

 手に入れること。脳科学用語としては、頭に入れることをいう。記憶には三段階があり、①獲得(頭に入れる)、②固定(保持する)、③再生(取り出す)がある。頭に入れる(獲得する)だけではまだ記憶とはいえない。記憶を保持するには通常、繰り返し学習が必要になる。

過剰学習

 学習して理解したことや覚えたことを、すぐあとに類似した問題で続けて何回も学習すること。教育用語。反復、継続することによって知識や理解をより強固なものにできるとされる。
しかし、これを疑問視する考えもある。過剰学習をせずに、ある程度間隔をあけて、テストを繰り返すほうが効果的というもので、実験心理学からの見解である。
 なお、記憶術は、暗記に関しての過剰学習が不要な上に、間隔をあけての繰り返しのテスト回数も少なくてすむ勉強法である。

観察

 ありのままの状態や出来事を注意深く見きわめること。望遠レンズの焦点を絞り込むように、細部をしっかり見つめ、他との違いを区別することで、対象の性質、属性がはっきりと理解できる。
 記憶に関しては、何気なく眺めているよりも、細かく観察した物事のほうがはるかに脳に深く刻まれ、忘れづらくなる。その意味で、観察的態度は記憶力を向上させるものである。

漢字記憶法

 通常、漢字は何度も手で書いて覚えるのを基本としている。時間的には効率が悪いように見えるが、頭ではなく手で体得することによって、頭を使わず無意識に書けるようにするものである。
 漢字記憶法という場合は、通常では覚えにくい漢字や熟語を、何らかの技(コツ)を用いて覚える方法を指す。漢字の語源や成り立ちを理解して覚える方法や、部首別に覚える法、覚えづらい一点(へその部分)を頭にたたき込む方法、分解して覚える方法、似ていて紛らわしい漢字をペアで覚える方法、それらをふまえながら記憶術のイメージを利用した覚え方を併用する方法など、いろいろある。

キーワード

 問題を解くカギとなる言葉、あるいは単に重要語を指す場合もある。記憶に関していえば、キーワードは、ある単語から派生して関連する単語や内容を思い起こす役割を持つ。
 記憶術では、あるキーワードとペアになる別のキーワードを覚える際に、両者をイメージ化して組み合わせ、覚える手法をとる。それによってキーワード同士の連結の記憶を強固にするものである。

記憶

 国語辞典風にいえば、経験したことや学習したことを忘れずに、心にとどめておくこと。ただし、一時的に忘れた記憶でも、きっかけがあれば思い出すことがある。また、ときには経験しないことでも、経験したかのように記憶されることがある。記憶の錯誤や変質、書き換えは無意識に行われるので、本人は指摘されてもそれを認めないことがある。
 心理学的には、記憶は短期記憶長期記憶に分けられ、さらに長期記憶は手続き記憶意味記憶エピソード記憶プライミング記憶の4種類に分けられる。通常、記憶という場合は、学習によって得られる意味記憶か、経験によって得られるエピソード記憶のことをいう。

記憶喪失

 記憶喪失は小説やドラマになりやすいテーマである。原因としては、心因性のストレスや頭部への外傷があり、そのほか薬物や認知症などの病気によるものもある。心身の傷を受けたあとの記憶がなくなる場合と、それ以前の記憶がなくなる(逆行性)記憶喪失がある。普通はだんだん記憶を取り戻してくることが多いが、記憶を失ったままの場合もある。

記憶と老化

 認知症などの記憶障害にならなくても、歳とともに記憶力が衰えてくるのは、多くの人々の実感するところである。加齢が学習記憶障害を起こすことは、ショウジョウバエやマウスの実験でも確かめられている。しかし、30~40代なら、記憶のネットワークを増やすことでそれをカバーすることは可能という。さらに、高齢になっても、知識や経験に基づく知恵によって、記憶の衰え分を十分カバーできる。なお、記憶術を身につければ、若い頃をしのぐ記憶能力を獲得できる。

記憶容量

 記憶装置に保存できる情報の量のこと。コンピュータではハードディスクの記憶容量を増やすことによっていくらでも記憶能力を伸ばせるが、人の脳には限りがある上に、忘却という宿命がある。大脳では、同じ神経回路に別の情報を雑居させることによって、容量不足をカバーしている。そのため、情報同士が影響し合い、混線、勘違いを生む一方で、素晴らしいアイデアや創造を生み出すこともある。

記憶力

 物事を覚える能力のこと。学校の勉強における記憶力は、内容への興味、すでに獲得した知識の量、理解力、集中力、記憶する方法(コツ)など、機械的な単純記憶力以外の能力が記憶に大きく影響している。したがって、単純記憶力のトレーニングはあまり意味がない。知的好奇心と理解力、それに暗記をするための技術が記憶力アップに欠かせない。

キケロ

 ローマ時代の哲学者、政治家、弁論家。紀元前106年~43年。帝政ローマ時代の代表的な記憶術の達人。キケロは、3時間休まずに演説を続け、その演説は草稿と寸分狂わぬものだったという言い伝えがある。著書に「弁論家について」という記憶術のやり方を記した本がある。

擬人法

 動植物や事物を、人間であるかのように表現する手法のこと。「海が呼んでいる」などと使う。漱石の「吾輩は猫である」はあまりにも有名。幼児向けの日本昔話は、動植物が人間の言葉を話し、人間のように行動するが、子供はだれも不思議に思わない。擬人法を取り入れると、イメージ豊かな世界を築き上げることができる。また、古代の神々が人の形をしているのも、観念を擬人化して、理解と記憶を助ける効果がある。
 記憶術には、豊かなイメージを生み出す擬人法を取り入れて、単語同士を強固につなぎ合わせる手法がある。

基礎結合法

 記憶術で、道順や家の中の配置など、順番を絶対に忘れないもののリストに、覚えるべき項目を順番にイメージによって結びつけていく方法のこと。そのリストを基礎表と呼ぶ。このネーミングは故渡辺剛彰氏(または父の彰平氏)によるもので、他に場所法、帳簿法などいろいろな名前がつけられている。しかし、その方法自体はすべて古代ギリシャで考案されたものと同一のものである。

クィンティリアヌス

 古代ローマ時代の弁論家、教育者。紀元35年~95年(?)頃。「弁論家教程」という修辞学の本を書く。その中でクィンティリアヌスは、ギリシャのシモニデスが使った「場所に結び付ける方法」を、ローマの邸宅に応用した記憶術の方法を記している。彼の本は後世の記憶術に影響を与えた。

古代ギリシャ人

 記憶術の創始者が古代ギリシャ人だということは定説になっている。記憶術に関する最も古い記録は、紀元前5~6世紀のケオス島の詩人シモニデスに関する記述であるが、ギリシャ人自身による記憶術の方法を書いた本は残されていない。ギリシャ人の使っていた記憶術を伝える本は、紀元前85年頃、無名のラテン人青年によって書かれ、帝政ローマに伝わった。

固定

 一般的な「固定」の意味は誰でもわかるが、記憶に関する学術的な用語としての固定は、頭に入れた情報を保持するという意味である。記憶には三段階があり、①獲得、②固定、③再生、の第2段階に相当する。固定は大脳生理学の用語だが、心理学用語では「保持」といい、このほうがわかりやすい。

語呂合わせ

 ①故事成句の一部を似た語感の別の言葉に差し替えて、意味のまったく異なる句を作り、こっけいな味を楽しむこと。もじり。②数字などを覚えるために、似た発音の意味ある言葉に置きかえて読むこと。√3=1.7320508…を「人並みにおごれや」とする類である。
 「語呂合わせ記憶法」は、数字だけにとどまらず、カタカナ語や元素記号、英単語、古文単語なども語呂合わせによって短文を作り、覚えやすくする手法である。また記憶術では、さらにそれを独特の技法でイメージ化して、語呂合わせの短文を覚える労力を軽減する。


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