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3~7単語をイメージ連結法で覚える練習

 

3単語以上はクサリのように連結する

 これまで2単語連結の練習をしてきましたが、3単語以上を順番に覚える場合は、クサリにように2単語連結を繰り返します。

 例えば、単語➀~⑤を順番に覚える場合は、➀と②、②と③、③と④……というように連結していきます。5単語連結の場合を図で示すと、次のようになります。

 単語① ― 単語② ― 単語③ ― 単語④ ― 単語⑤
    ①と②   ②と③   ③と④   ④と⑤

 面倒なようでも、イメージ連結法で順番を混乱なく覚えるには、この方法がいちばんなのです。なお、覚える項目数が多い場合は、第3章で説明する基礎結合法を使うのが普通です。

 この方法で覚えた後、思い出す時は、単語①から②、②から③…というように順番にイメージ連結を再現します。次に具体例で説明しましょう。

4単語連結の場合の例

 アイロン ― 貝殻(かいがら) ― サイ ― タイヤ

1.アイロン ― 貝殻
 アイロンで大きな貝殻をたたきわった。(貝殻は巻貝がイメージしやすい)

2.貝殻 ― サイ
 大きな貝殻がサイの頭に突き刺さった。

3.サイ ― タイヤ
 サイの腹にタイヤが巻き付いている。

 この方法では、アイロンから3つの単語を順番に覚えるのに、3回のイメージ連結を別々に行いましたが、それを1回で済ませるのはどうでしょうか。例えば、次のようなストーリを作るやり方です。

 アイロンで大きな貝殻を割り、次にサイの頭をアイロンでたたいて、タイヤをアイロンで焦がしてパンクさせた。

 このようなやり方でも、直後は覚えているでしょう。でも、時間とともに貝殻、サイ、タイヤの結びつきのどれかがあいまいになって思い出せなくなる可能性が高いのです。仮に3つ思い出せたとしても、順番を間違えるおそれがあります。だから、クサリのように連結するのです。

 それでは次に3単語連結の練習をしましょう。

例題6 次の3単語をイメージ連結して覚えてください。

 ① クラゲ ― 改札口 ― 冷蔵庫
 ② タコ焼き ― プール ― 富士山
 ③ パンダ ― ソファ ― 大根
 ④ 三輪車 ― やかん ― 警官
 ⑤ 飛行機 ― 豆腐(とうふ) ― パンツ

※「クラゲ、タコ焼き、パンダ、三輪車、飛行機」をメモしておいて、イメージ連結が終わったら、覚えているかどうかを確認してください。

例題6のイメージ例

①クラゲ ― 改札口 ― 冷蔵庫
 巨大クラゲが改札口の上に浮いていた。(巨大化)
 改札口がすべて冷蔵庫でふさがれた。

②タコ焼き ― プール ― 富士山
 大量のタコ焼きがプールに浮いている。(大量化)
 巨大なプールが富士山のてっぺんに見える。(巨大化)

③パンダ ― ソファ ― 大根
 パンダがソファを持ち上げた。
 ソファに大根を山のように積み上げた。

④三輪車 ― やかん ― 警官
 三輪車をこいでいるのはなんとやかんだった。(擬人化)
 やかんを警官の頭にかぶせた。

⑤飛行機 ― 豆腐 ― パンツ
 飛行機が(空に浮かぶ)巨大な豆腐に突っ込んだ。(巨大化)
 豆腐にパンツをはかせた。(擬人化)

 次に5単語~7単語連結の練習に入りますが、これは実用的にはさほど重要ではなく、もっぱらイメージ連結法の完全な習得を目的としています。5単語以上の順番を覚える場合は、先に少しふれたように基礎結合法のほうが有利です。

 ただし、3~4単語連結は実用的に不可欠ですので、しっかりできるようしておいてください。そのためには5~7単語連結の練習も避けては通れません。

 例題7 次の5単語をイメージ連結して覚えてください。

① いちご ― 一寸法師 ― ブランコ ― バナナ ― 鼻
② 肉 ― 人魚 ― 富士山 ― すべり台 ― 屋根
③ サンマ ― 三蔵法師 ― モミジ ― いす ― ツバメ
④ シイタケ ― 死人 ― サボテン ― ヤギ ― 壁
⑤ ご飯 ― ゴジラ ― 砂場 ― リンゴ ― コップ

 ①~⑤の先頭の単語は、「イチゴ・ニク・サンマ・シイタケ・ゴハン」と食べ物の数え歌風になっています。気がつきましたか? これは基礎結合法のところで出てきます。ついでに、2番目の単語も「イチ・ニ・サン…」です。

 それはともかく、イメージ例はもう十分に示したので、この辺で省略したいところですが、少し心配になりました。①が初心者には難しいようですので、一例を示し、解説を加えておきます。

イメージ例① いちご ― 一寸法師 ― ブランコ ― バナナ ― 鼻

・いちご ― 一寸法師 ⇒大きなイチゴを割ると、一寸法師が出てきた
 桃太郎のパクリですが、イチゴの大きさも桃くらいがいいかもしれません。混同しないように、イチゴの形と色、つぶつぶをしっかり頭に焼き付けてください。

・一寸法師 ― ブランコ ⇒一寸法師が動くブランコ相手に刀を振り回している。
 大きくなった一寸法師をイメージ。ブランコに乗るイメージは平凡すぎる。

・ブランコ ― バナナ ⇒大きなバナナがブランコから吹っ飛んだ。
 もちろん、バナナは擬人化(ぎじんか)します。

・バナナ ― 鼻 ⇒バナナを鼻の穴に突っ込んだ
 でかい鼻の穴、痛そうです(感情移入)。

 ③の後半、「モミジ ― イス ― ツバメ」も慣れないうちはイメージが弱くなりそうなので、一例を示しておきましょう。

モミジ ― イス ⇒(真っ赤)なモミジにイスをつり下げた。
イス ― ツバメ ⇒イスを、(一瞬にして)ツバメにかっさらわれた。

 最後は練習問題です。ひまを見つけてトライしてください。記憶の確認作業のために、最初の単語だけ髪にメモをしておきましょう。

 練習問題1 次の6単語をイメージ連結して覚えてください。

①カンガルー ― 絵本 ― 電話機 ― サメ ― 杉の木 ― 体重計
②エアコン ― コウモリ ― 柿 ― 浮き輪 ― 電球 ― セーター
③ピラニア ― 石けん ― のこぎり ― 馬 ― 皿 ― カマキリ
④フグ ― 坂道 ― 毛虫 ― ドア ― 鼻 ― シャンデリア
⑤サメ ― 水泳 ― 牛舎 ― 風船 ― 長靴 ― 綱(つな)渡り
 練習問題2 次の7単語をイメージ連結して覚えてください。

①アサガオ ― ハサミ ― 井戸 ― 花火 ― ヘビ ― コップ ― イルカ
②パラソル ― マント ― 絵馬 ― 逆立ち ― 羊 ― 石けん ― ビル
③財布 ― 槍(やり) ― 生垣 ― なまはげ ― 桜 ― しっぽ ― ハエ
④タヌキ ― ラッコ ― 金貨 ― スッポン ― セミ ―お墓 ― 新幹線
⑤のり巻き ― 短パン ― 決闘 ― 泡 ― ウグイス ― 重箱 ― ロープ

 7単語連結が覚えられるようになれば、イメージ連結法は完成です。なお、試験対策などの実用に使えるようになるためには、次章の「イメージ変換法」の習得が必要になります。


 最後は強い結合と弱い結合。違いが分かれば記憶術習得は早い
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