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擬人法と感情移入のテクニック

シマウマやテレビだって「人間」になれる!

 

 突然ですが、シマウマの姿を思い描いてみてください。ほとんどの方は4本足で草原に立っているシマウマをイメージするのではないでしょうか。家の中でソファに腰かけているシマウマを想像する人は、ふつうは考えられません。

 ところが記憶術なら、童話やマンガと同じようにシマウマに次のような行動をとらせることができるのです。

 シマウマがパソコンのキーをたたいている。
 シマウマがレストランで食事をしている。
 シマウマがピッチャーになってボールを投げた。


 動物などが人間と同じことができる、これを擬人法(ぎじんほう)と言います。子供の頃はだれでもおとぎ話を読み聞かされ、当たり前のように受け入れていた擬人法も、大人になるにつれて絵空事のように感じがちです。でも、桃太郎や浦島太郎などのあの生き生きとした世界は、絶対に忘れませんね。記憶術はそうした奇想天外な物語の力を利用するのです。

 擬人法を利用するのは、動物だけではありません。

 テレビがいすに体当たりした。
 扇風機がラーメンをすすっている。
 タンスが木登りをしている。
 桜の木がゲラゲラ笑っている。


というように、手あたり次第、人間のような行動を起こさせてよいのです。「サルカニ合戦」の話でも、サルやカニといっしょにウスまでもが人間のようにしゃべり大活躍しています。

 「私はどうも頭が固くて、イメージが自由に浮かばない」という人でも、幼児におとぎ話を聞かせるつもりでイメージすれば、脳がおとぎ話に胸をふくらませたあの頃を取り戻すかもしれません。記憶術では擬人法が大活躍をするのです。

 それでは前ページの要領で、さっそく擬人化のテクニックを練習してみましょう。

 例題4 次の2つの単語を擬人化のテクニックを使って連結してください。

① カラス ……………………………………………………………… 油絵
② キリン ………………………………………………………… サッカー
③ テレビ ………………………………………………… アイスクリーム
④ モグラ ……………………………………………………………… 将棋
⑤ カボチャ …………………………………………………… ソーセージ
⑥ アリ …………………………………………………………… 百科事典

 ひと通りできたら、右側の単語を隠して順番に復唱してください。間違っていたらその部分をやり直します。想定したイメージを、頭の中でしっかり描かなかった可能性があります。

 全部覚えられたら、左側の単語をメモしておいて、10~15分後にもう一度記憶の確認をします。5つ以上覚えていたら、今の段階では合格です。その後は、覚えていても意味のないことですから、忘れるよう努力してください。

 なお、以上の一連の手順は、記憶術トレーニングの基本となるものですので、必ず実行するようにしてください。記憶術が実際に使えるようになるまでには、地味な作業の繰り返しが必要なのです。

例題4のイメージ例

 

①カラス ― 油絵
 カラスが(くちばしに絵筆を持って)油絵を描いている。

②キリン ― サッカー
 キリンがサッカーボールを蹴(け)っている。

③テレビ ― アイスクリーム
 テレビがアイスクリームをなめている(画面を顔に見立て舌を出す)。

④モグラ ― 将棋
 モグラが(土の上で)将棋を指している。

⑤カボチャ ― ソーセージ
 カボチャがソーセージをかじっている。

⑥アリ ― 百科事典
 大きなアリが百科事典を頭にのせて歩いている。

喜怒哀楽の感情はいつまでも脳(こころ)に残る

 誰でも楽しかったことや苦しかったこと、悲しかったこと、腹の立ったことがあり、そのことをいつまでも覚えているものです。こうした喜怒哀楽(きどあいらく)の感情は、脳の器官の一つである扁桃体(へんとうたい)というところで司られていて、記憶にも大きな影響力を持っています。逆に言えば、強い感情を伴った出来事ほど忘れないということです。

 古来、記憶術では、心理学や脳科学が発達するはるか前から、そうした事実を知り、覚えることに利用してきたのです。これを「感情移入の技法」とでも呼んでおきましょうか。記憶術の市販本ではあまりこの技法について触れていませんが、連結イメージを頭に描く際にその情景に感情を込めることができれば、忘却率は飛躍的に下がるでしょう。

 それでは具体的な例で説明しましょう。前ページ(イメージは伸縮自在、時も超える)「例題3のイメージ例」から、感情移入に適した場面を2例、拾い出しました。

 職員室 ― お花見
 職員室の真ん中にある桜を囲んで、先生方がお花見をしている。

 職員室の真ん中に桜が咲いていることを想像するだけでも、かなり強い印象が残るはずですが、さらに「先生方が桜の花を囲んで盛り上がり、楽しそうだな」という気持ちを込めてこの場面を想像すると、イメージはさらに強まります。次は、

 原始人 ― ヘリコプター
 原始人がヘリコプターにぶら下がっている。

…ですが、今度はどんな感情を抱きますか? 原始人をヒーローに見立てるか、救出される側に見立てるかで感情は変わってきます。

 ヒーロー物なら、危険をかえりみずヘリコプターにぶら下がるに原始人に拍手かっさいし、痛快感を味わうでしょう。また、原始人が救出される側と考えて感情移入すると、恐怖と不安で生きた心地がしません。後者のほうがより強く記憶に刻まれそうですが、あまり楽しくありませんね。どちらを選ぶかは人それぞれでしょう。

感覚を磨き、感受性を高める

 映画やテレビドラマの悲しい場面では、思わず涙が出てくることがあります。これを恥ずかしいと思う人もいるでしょうが、感受性が豊かであることの証でもあります。また、スポーツの観戦でも、応援する選手に感情移入し、まるで自分が戦っているかのような気持ちになることは誰でもあることです。人はだれでも「人の気持ちに共感する」という素晴らしい心を持っています。

 だから、わざわざ感情移入のトレーニングをしなくてもよいのですが、そうした心に残る強い感情だけではなく、「痛い」とか「寒い」などの感覚についても、想像しながら感じることが記憶術には重要なのです。そこで、ここでは「感じる練習」を少しだけやってみましょう。

 練習 次の言葉の情景を想像し、その感覚や気持ちに近づいてください。

①北極の氷の上
 じっとしていたら凍え死にしそうな氷の上で、寒さに耐える気持ちです。
②真夏の南の島
 のどかだけど暑い気分です。じりじりと太陽に焼かれ、吹き出す汗も結晶に…。
③頭をたんすの角にぶつけた
 いかにも痛そうですね。痛みがじわっと持続します。
④食卓に酢(す)のものとウメボシが出た
 想像するだけで口の中に唾液(だえき)がたまってくる人もいるでしょう。
⑤ゴキブリが3匹現れた
 ゴキブリが好きな人などめったにいないでしょう。想像しただけで気持ち悪くなる、そんなゴキブリ嫌いの人には「ごめんなさい」。

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