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頭の中で突飛な事件を起こすと忘れない/技法①
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頭の中で突飛な事件を起こすと忘れない
/技法①

 

「めったにない、特別なことは忘れない」ことを利用

 何年も前のことなのに、はっきりと覚えている。そんな印象に残る出来事はだれでもいくつかあるでしょう。大きなショックを受けたことや、逆にとてもうれしかったこと…。それらは日々の平凡な出来事にくらべて強く覚えていますね。

 古代ギリシャ、ローマの時代から、先人たちはそのことを知っていて、ものを覚えることに利用してきました。その集大成が記憶術です。

 第1章の最初は、2つの単語(イメージ)を連結して覚えるための基本となる、「頭の中に突飛な事件を起こす」ためのトレーニングをします。まずは、「2単語連結」の例をいくつか挙げて説明しましょう。

例① 電気がま ― 耳

 「電気がま」と「耳」はまったく関係がありません。記憶術ではこのような無関係なものでも、「深い関係」を持たせて覚えてしまうのです。その方法が、頭の中に突飛なイメージを描いて関連付ける方法です。さっそくやってみましょう。

 イメージ例: 電気がまに大きな耳が生えてきた。

 そんな ホラー映画のようなことは現実にはありえませんね。でも、頭の中では自由にイメージが描けます。このようにできるだけ強烈なシーンを描ければ成功です。「電気がま」と聞いたとたんに「耳」が頭に浮かぶようになります。
 もう一つ例をやってみましょう。

例② 白鳥 ― 岩

 イメージ例: 白鳥が岩を背負ってよちよち歩いている。 
 
 これも突飛なイメージです。普通にイメージすれば、「白鳥が岩の上に舞い降りた」とか、「岩の上をよちよち歩いている」とするのが自然です。でも、これではインパクトが弱くて、後で思い出す時に、白鳥が「どこに舞い降りたのか」(あるいは「どこで歩いているのか」)わからなくなってしまうのです。

 「でも、白鳥が岩を背負うなんて、とても思いつかない」と思った方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。答えは一つではないのです。上のイメージ例の他にも、次のようなイメージに近いものはみな「正解」、つまり忘れにくい結びつきです。

 ◎ 白鳥が岩を突っついて割ってしまった。
 ◎ 白鳥の長い首が岩に巻き付いている。
 ◎ 白鳥が岩の割れ目から飛び出した。

 イメージづくりのコツは、ありえないバカげたことを想像することです。次に、例題を出しますので、突飛なイメージづくりにチャレンジしてみてください。
 例題1 次の2単語を強いイメージで結び付けてください。
 ① ヨット ― 扇風機     ② だるま ― 金太郎
 ③ 運動場 ― テーブル    ④ ラクダ ― 火山
 ⑤ イルカ ― 虹(にじ)       解答例は下段

ちょっとひと休み

 「一生忘れられない出来事」というと、とんでもない大事件のことを考える人が多いと思います。でも、けっこうつまらないことでも何十年も覚えているものです。

 筆者の実体験ですが、中学時代のある放課後に、男子生徒の一人が珍しいヘビを捕まえてきて、理科室が大騒ぎになりました。そのヘビは何と二つの頭を持って生きていたのです。その時見た光景はいつまでも忘れられません。

 もう一つ、体験ではなく小学生向け雑誌で読んだ記事で、忘れられないことがあります。それはあるヨーロッパの町で、空から魚が降ってきたという話です。竜巻で海水と共に空に巻き上げられた魚が、遠く離れた町に降ってきたのです。この記事から勝手に情景を想像したおかげで、今でもイメージが強く残っています。

例題1のイメージ例

①ヨット ― 扇風機
 ヨットが、巨大な扇風機に衝突した。
 ヨットの上に扇風機を取り付けて走らせた。

②だるま ― 金太郎
 だるまが金太郎を蹴とばした(だるまに小さな手足をつけてもよい)。
 だるまが金太郎に頭突きを食らわせた。

③運動場 ― テーブル
 運動場をテーブルが(四足で)全力で走っている。
 運動場にテーブルが降ってきた。

④ラクダ ― 火山
 ラクダが、(噴火している)火山に飛び込んだ。
 ラクダのコブから、火山が噴火した。

⑤イルカ ― 虹(にじ)
 イルカが虹を跳び越えた。
 イルカが(空に向かって)虹を吐き出した。

 イメージづくりのコツがなんとなくわかってきたと思います。イメージ連結法を使う上で大事なことが2つあります。それは…

1.常識にとらわれず、奇想天外なイメージを頭に描く
2.言葉で唱えるのではなく、頭にその情景をしっかりと思い浮かべる


ということです。初めのうちはイメージを連結するのに時間がかかることがあるかもしれませんが、何ごとも慣れです。誰でもできるようになります。

 次に、「例題1」でイメージ連結した5つの単語が思い出せるかどうかのテストをしてみましょう。

例題1の記憶イメージ確認作業

 次の単語とイメージ連結した単語を、順番に思い出してください。

①ヨット →?  ②だるま →?  ③運動場 →?  
④ラクダ →?  ⑤イルカ →?


 思い出せない場合は、2単語の連結イメージが弱かったことになります。上に示したイメージ例を参考に、頭に視覚的に強く思い描いてください。

2項目連結の練習とテスト

 イメージ連結法の練習問題を10問用意しましたので、さっそくチャレンジしてください。左側の単語に右側の単語を結びつけて、強いイメージを作ります。イメージづくりはあれこれ迷わず、しっかりと頭に焼き付けることが大事です。
 全問のイメージ化が終わったら、右側の単語を隠して、順番にイメージを再現しながら、右側の単語を覚えているかの確認作業をします。

  ●例題2
 ① ひな飾り …………………………………………… トラ
 ②  ヒツジ …………………………………………… プール
 ③  門松 ……………………………………………… ネズミ
 ④  にわとり ……………………………………… かけっこ
 ⑤  馬 ……………………………………… 七夕(たなばた)
 ⑥  こいのぼり ………………………………… 竜(りゅう)
 ⑦  鬼(おに) …………………………………………… 牛
 ⑧  イノシシ ……………………………… サンタクロース
 ⑨  ランドセル ……………………………………… ウサギ
 ⑩  梅雨(つゆ) ……………………………………… ヘビ

 右側の単語を隠して、いくつ思い出せたでしょうか? 初めてのトライで7個以上できたら上出来です。

単語が思い出せない原因は?

 イメージ連結した思い出せなかった場合は、次のような原因が考えられます。

1.イメージが当たり前すぎて印象に残らなかった。
2.最初に思いついたイメージを、迷って変更した。
3.雑念が入って集中できなかった。


 1と2は技術的な問題ですが、何度も練習と検証を続けるうちに、解消されます。


  次はイメージは伸縮自在、時も超えられる
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