難読漢字テスト(虫偏の字を中心に)60問
ゾロゾロ出てくる超難解=虫に関する単漢字・熟語
虫と聞いただけで気分が悪くなる方は、想像力の豊かな方です。虫にも美しいもの、かわいいものがたくさんいますから、どうかご容赦を…。さて、虫偏を含めて、虫の付く漢字は意外に多いものです。その多くが常用漢字に含まれないため、あまり見る機会は多くないでしょう。それだけに虫の付く字は難読漢字の宝庫となっています。漢字は元々表情が豊かですが、虫に関する漢字・熟語は「これでもか」と言わんばかりに個性を主張しています。
まずは比較的やさしい単漢字の読み方問題からスタートしましょう。1段目は比較的美しいイメージですが、2行目は嫌な虫がぞろぞろ出てきて、終わりのほうは難読度も高まります。
①虫の付く単漢字(見れば見るほど味わい深い漢字の表情)
蛍 蝶 蝉 蜩 蚕 蛹 蝗 蟻 蜂 虻 蠅 蚋 蚊 蚤 虱 蛆 蛭 蜚 蠍 蝮 螻 蛟 螟 |
②虫ではないけど虫偏の漢字(魚介類の中に哺乳類が一つ)
蝦 蟹 蛤 蜆 蜊 蝟 |
③この言葉、「虫」とどういう関係がありますか?
蠟 蟄居 蝕む 蠕動 |
④いよいよ超難解熟語の登場!
螽斯 飛蝗 蟾蜍 蟇蛙 蚯蚓 蛞蝓 蜉蝣 螻蛄 蜥蜴 蝌蚪 蜘蛛 蟋蟀 蟷螂 蜈蚣 蜻蛉 壁蝨 蝸牛 紙魚 浮塵子 轡虫 蚰蜓 蜓蚰 |
⑤「虫」から転化した言葉
五月蠅い 蠢く 蠱惑的 蜚語 蜃気楼 |
難読漢字〔答えと解説〕
①虫の付く単漢字
蛍=ほたる 蝶=ちょう 蝉=せみ
蜩=ひぐらし 蚕=かいこ
蛹=さなぎ 蝗=いなご 蟻=あり
蜂=はち 虻=あぶ蠅=はえ
蚋=ぶよ 蚊=か 蚤=のみ
虱=しらみ 蛆=うじ 蛭=ひる
蜚=あぶらむし 蠍=さそり
蝮=まむし 螻=けら 蛟=みずち 螟=ずいむし
・そこで、旁の部分を自己流のイメージでこじつける方法がよい。たとえば、
「蝗=皇帝になったイナゴ」 「虻=亡くなった虫の大群はアブ」 「蟻=義理堅い働きアリ」 「蛭=(はい上がって)太ももに至るヒル」 …といった要領である。
・螟(冥は見えないこと)は稲の茎を食う害虫ずいむし。「見えない虫」と覚える
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②虫ではない虫扁の漢字
蝦=えび 蟹=かに 蛤=はまぐり 蜆=しじみ
蜊=あさり 蝟=はりねずみ
昔の中国では「虫」の概念が広かったようで、貝類だけでなくハリネズミまで虫の仲間にされている。しかも、貝には鮑(あわび)などのように、魚偏の文字もある。まあ、あまり気にすることではないが、知っておいても損はない。
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③「虫」と関係ある漢字
蠟=ろう 蟄居=ちっきょ 蝕む=むしばむ 蠕動=ぜんどう・「蠟(蝋)」は蠟燭(ろうそく)の原料で、古代には蜜蠟(みつろう)を集めた。
・「蟄居」は虫が地中に隠れているように、自宅の一室に謹慎させる刑罰のことで、これも虫が関係している。
・「蠕動」は、ミミズなどの虫が身をくねらせて進むこと、またはそのような動き。
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④超難解「虫」の付く熟語
螽斯=きりぎりす 飛蝗=ばった 蟾蜍=ひきがえる 蟇蛙=ひきがえる 蚯蚓=みみず蛞蝓=なめくじ 蜉蝣=かげろう 螻蛄=けら 蜥蜴=とかげ 蝌蚪=おたまじゃくし 蜘蛛=くも
蟋蟀=こおろぎ 蟷螂=トウロウ、かまきり 蜈蚣むかで 蜻蛉=セイレイ、とんぼ 壁蝨=だに
蝸牛=かたつむり 紙魚=しみ 浮塵子=うんか 轡虫=くつわむし 蚰蜓=げじげじ 蜓蚰=なめくじ
・「蚯蚓」は体を引きずりながら丘を這(は)うミミズ。
また、「蝸牛」は渦巻の貝を背負い、牛のように角を立てるカタツムリで、イメージしやすい。
・その他、飛蝗、浮塵子、壁蝨、紙魚、蛞蝓なども、言われてみれば漢字の雰囲気が何となくそれらしくはず…
・でも、漢字の意味や表情ではイメージがつながらないものも多い。その場合は、蝌蚪(カト)=オタマジャクシ、蜥蜴(セキエキ)=トカゲ、蚰蜓(ユウエン)=ゲジゲジ…という要領で、半ば機械的に覚えるしかない。
・次に、記憶術を使う場合のイメージづくりを、三例ほど示しておく。
「カト」…カト(加藤)ちゃんがオタマジャクシになって泳いでいる。
「セキエキ」…激しい咳(せき)を駅でして、トカゲを吐いてしまった。
「ユウエン」…遊園地でゲジゲジの大群に囲まれた。
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⑤「虫」から転化した言葉
五月蠅い=うるさい 蠢く=うごめく 蠱惑的=こわくてき蜚語=ひご 蜃気楼=しんきろう
・五月のハエは特に「うるさい」ことから「五月蠅い」と書く。
・「蠢く」は「虫がもぞもぞ動く様(蠢動)」と、発音を表わす「春」を組み合わせた文字。春になると虫が動き出すという説もあるようだが、どちらが正しい語源か不明。記憶術的には後者の方が覚えやすい。
・蠱惑的の「蠱」は、皿の上に虫が三匹(=たくさん)いる形だが、これは虫を使った古代の呪術のことを表わしている。蠱惑的とはそれほどまでに妖しく、人を惑わすような魅力のことをいう。
・蜚語の「蜚」は=「あぶらむし(=ゴキブリ)」とも読むが、「飛ぶ」という意味。「流言蜚語」で、根拠のないうわさのこという。
・なお、ゴキブリは「蜚蠊」と書く。ゴキブリが飛ぶ姿は家の中ではほとんど見かけないが、屋外ではけっこう飛ぶのである。
・蜃はおおはまぐりのこと。気を吐いて楼閣を描くという言い伝えが、蜃気楼の由来。
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