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短期記憶と長期記憶/エピソード記憶と
意味記憶

  短期記憶と長期記憶   ワーキングメモリーとは   マジカルナンバー7
  長期記憶は4種類ある   エピソード記憶と意味記憶
 

 私たちの脳には毎日、膨大な量の情報が入ってきますが、それでも脳がパンクしないのは脳が重要でないと判断した情報はどんどん忘れていくからです。記憶にはそれぞれに寿命があり、心理学ではそれを短期記憶と長期記憶に分けています。

 ところで、エピソード記憶や意味記憶という、日常ではまったく使われない用語をご存知ですか? 記憶を考える上で両者はしっかり分けて考える必要があります。ここでは記憶に関する心理学的な基礎知識を解説していきます。

短期記憶と長期記憶

 記憶には短期記憶と長期記憶があります。短期記憶の寿命は通常、数秒から数分まで。それ以上は長期記憶といいます。同じ長期記憶でも忘れるまでの時間は、数分間から2~3日、1~2年、十数年とさまざま。中には一生忘れないこともたくさんあります。

 記憶といってもいろいろあって、脳の働きもそれぞれ異なるのです。受験勉強では短期記憶をどんなにたくさんやっても意味がありません。できるだけ長期間忘れない記憶法、勉強法が必要になります。その意味で《記憶の心理学・脳科学》を知っておくことは重要です。

ワーキングメモリーとは

 ワーキングメモリーは別名、作業記憶または作動記憶と呼ばれるもので、短期記憶を別の角度からとらえた概念といえるでしょう。私たちは会話や読み書き,計算、事務的作業などをするとき、必要な情報を一時的に保持しながら行います。このように別の作業に必要な情報を一時的に保持する能力を、ワーキングメモリーといいます。

 ワーキングメモリーは日常、非日常を問わず、人間のあらゆる活動に必要不可欠な能力ですが、この能力が優れていても長期記憶が優れていることにはなりません。ワーキングメモリーは、各種作業に必要なきわめて短い時間だけ記憶を保持する、無意識的な能力にすぎないのです。長期記憶とは次元が異なります。

マジカルナンバー7(セブン)

 これも、用が済んだらさっさとデータが消去されてしまう短期記憶に関する用語です。

 アメリカの心理学者ジョージ・ミラーは、短期記憶において人はおおよそ7個の情報しか保持できないということを発見しました。これをマジカルナンバー7と名づけたのです。

 しかし、マジカルナンバーが発見されるはるか大昔から、人は「7」という数と深くかかわってきました。たとえば曜日は7日間ですし、ドレミの音階も7個です。虹の7色は、その中間色の色名を数えればもっと多くなりますが、やはり「7」に落ち着いています。この他、世界の七不思議、ラッキーセブン、七人の侍、ウルトラセブン…と、「セブン」は古今東西を問わず愛されてきました。

 東京都の電話番号はかつて7ケタだったので、番号を聞いて復唱するのは簡単でした。しかし、8ケタになってからは、一気に言われると復唱できない人が増えたのではないでしょうか。

長期記憶は4種類ある

 心理学では、長期記憶を次の4つに分けて区別しています。

・手続き記憶……………体で覚える記憶(歩く、着替える、食事、スポーツなど)
・意味記憶………………学習して覚える記憶(知識の吸収)
・エピソード記憶………体験して覚える記憶(個人的経験、思い出)
・プライミング記憶……先入観が影響する記憶(言い間違え、勘違い)

 以上のうち、ここでは特に重要な意味記憶とエピソード記憶の違いについて説明していきます。

エピソード記憶と意味記憶

 学校の教科は繰り返し学習しないと覚えられません。ところが、たった1回の学習で一生忘れないということもあります。

 それは自分が直接体験した感情を伴う出来事のことです。運動会で一等賞(またはビリ)になったこと。あるいは初めて自転車に乗れるようになった日のこと。親類に泊りがけで行ったときの出来事。家族旅行の一コマ。昔の家の周りの風景。初恋。入院…などなど。

 このように直接自分が体験したことの記憶を、心理学では「エピソード記憶」と呼んでいます。1972年にダルヴィングという人が提唱しました。

 それに先立って1966年、キリアンという心理学者が「意味記憶」ということを提唱しました。意味記憶は授業や本などで覚える知識のことです。たとえば「スウェーデンの首都はストックホルムだ」とか、「でんぷんは最終的にはブドウ糖に分解される」などのようなことです。

 意味記憶とエピソード記憶の違いは、言われてみれば当たりまえのことで、難しいことは何もありません。学校の勉強は体験ではなく、頭で学ぶから覚えるのに苦労するのだということが納得できたでしょうか。ただし、理科の実験などは体験しながら学習しますから、エピソード記憶との併用で、長期間記憶が保たれやすいのです。

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