基礎表を使って記憶術の威力を試してみよう!
ここではさらに実用的な、暗記項目の多い例題をやってみましょう。
「月の行事」を使って誕生石を覚える
誕生石には、業界が作った各月に2つずつ記載されたものもありますが、ここでは古くから伝わる誕生石を覚えることにします(このほか、月によっては異説もあります)。
例題2 次の誕生石を基礎結合法で覚えてください。
①1月 ― ガーネット ②2月 ― アメジスト ③3月 ― アクアマリン ④4月 ― ダイアモンド ⑤5月 ― エメラルド ⑥6月 ― 真珠 |
⑦7月 ― ルビー ⑧8月 ― サードにクス ⑨9月 ― サファイア ⑩10月 ― オパール ⑪11月 ― トパーズ ⑫12月 ― トルコ石 |
これまでに紹介した基礎表のうち、12項目以上のものは「体の部分」と「十二支」しかありません。そこでもう一つ、本題にぴったりの基礎表を用意しました。それは月の行事です。
基礎表⑦ 月の行事 | |||
1月 | お正月(門松) | 7月 | 七夕(たなばた飾り) |
2月 | 節分(鬼) | 8月 | 夏休み(プール) |
3月 | ひな祭り(ひな飾り) | 9月 | 敬老(老人) |
4月 | 入学式(ランドセル) | 10月 | 体育の日(運動会) |
5月 | 子供の日(こいのぼり) | 11月 | 七五三(晴れ着) |
6月 | 父の日/アジサイ | 12月 | クリスマス(サンタ) |
6月「父の日」は影が薄いですね。第2案として「アジサイ」を挙げておきます。10月は運動会でいちばん思い出に残っているシーンをイメージします。以上12か月のイメージに、上の宝石を順番にイメージ連結していきます。宝石のイメージにも工夫が必要です。
例題2 誕生石の覚え方のイメージ例
(※宝石のかっこ内はイメージ変換例です)
①門松 ― ガーネット(ガー/ネット)
門松に、上からガーッとネットが落ちてかぶさった。
②鬼 ― アメジスト(雨)
鬼の顔に雨が強く降り注いだ。
③ひな飾り ― アクアマリン(アクアラングでマリンスポーツ)
ひな飾り抱いて、アクアラングでマリンへ潜った。
④ランドセル ― ダイアモンド
ランドセルにはピッカピカのダイアモンドの飾りが…。
⑤こいのぼり ― エメラルド(エメラルドグリーンの湖)
こいのぼりがエメラルドグリーンの湖で泳いでいる。
⑥アジサイ ― 真珠
アジサイの花びらが真珠となってこぼれ落ちた。
⑦たなばた飾り ― ルビー
七夕飾りのあちこちに、大きなルビーの指輪が赤く輝いている。
⑧プール ― サードニクス(サード憎し)
プールの中に、憎っくきサード(の選手)を投げ込んだ。
⑨老人 ― サファイア(サファイアブルーの海)
よぼよぼの老人が、サファイアブルーの海でおぼれている。
⑩かけっこ ― オパール(尾/パール)
かけっこをする子供の尾が揺れてパールのネックレスが落ちた。
⑪晴れ着 ― トパーズ(トパーズ色=黄褐色のウイスキー)
七五三の晴れ着にトパーズ色のウイスキーをぶっかけた。
⑫サンタクロース ― トルコ石(ベリーダンス、またはトルコの宮殿)
サンタクロースが(トルコの宮殿で)ベリーダンスをしている。
基礎結合した後のイメージ再現と、記憶チェック
基礎表の番号順に覚えるべき項目をイメージ連結し終わった後は、その直後に1番から順にイメージを再現してみてください。慣れないうちは1項目につき5秒以上かかってしまうかもしれませんが、やがて3秒以内に再現できるようになります。もちろん、再現時間だけでなく正確に思い出せるかどうかも大事です。上の例題では12項目ありますから、慣れないうちは1~2項目は思い出せない項目が出てくるかもしれません。3項目以上ある場合は、イメージ連結法かイメージ変換法のどちらかの練習が不十分であることが考えられます。あるいは方法そのものの理解が不十分であることもあり得ます。つまずいたら戻る。それが記憶術においても学習の基本です。
10項目以上の項目が一度に覚えられるようになったら、今度は10分~20分後にもう一度覚えているかどうかを確認します。こうして試行錯誤をしながら記憶術の精度を高めていくのです。
ベストテンを覚えるのはお手の物
基礎結合法は、ある同じ性質や属性を持ったグループのすべてをもれなく覚えるときに便利ですが、それらの順番まで正確に覚えなければならない時に、特に威力を発揮します。そこで今度の例題は「ベストテン」を覚えることです。
例題3 次の「日本の川の長さベスト10」を 基礎結合法で覚えてください。 ①信濃川(しなのがわ) ②利根川(とねがわ) ③石狩川(いしかりがわ) ④天塩川(てしおがわ) ⑤北上川(きたかみがわ) ⑥阿武隈川(あぶくまがわ) ⑦最上川(もがみがわ) ⑧木曽川(きそがわ) ⑨天竜川(てんりゅうがわ) ⑩10位 阿賀野川(あがのがわ) |
例題3 覚え方のイメージ例
基礎表は前ページの〔数字と物語のキャラ〕を使ってみましょう。番号順に連結していく前に、それぞれの川のイメージ変換をやっておくほうが能率的です。自分の住んでいる近くにある川以外は、どの川も同じ風景ですから、頭の中の映像で差別化するのは難しいでしょう。イメージ化に当たっては、「名前は知っているが、他の川と差別化してイメージできない」ことを前提とします。川の名前のイメージ変換(一例)
・信濃川→信濃そば ・利根川→戸+根 ・石狩川→石狩鍋(なべ)
・天塩川→天の塩 ・北上川→北風の神 ・阿武隈川→アブ
・最上川→藻髪 ・木曽川→(建物の)基礎
・天竜川→天竜 ・阿賀野川→あがく
〔数字と物語のキャラ〕へのイメージ連結
①一寸法師 ― 信濃川
一寸法師が刀を振り回して、信濃のそばを切りまくっている。
②人魚 ― 利根川
人魚が戸の根っこにしがみついている。
③三蔵法師 ― 石狩川
三蔵法師が、大きな石狩鍋の中に放り込まれた。
④死人 ― 天塩川
死人の上に、天から塩がどさっと降ってきた。
⑤ゴジラ ― 北上川
ゴジラが北の神に火を吹きかけた。
⑥ろくろっ首 ― 阿武隈川
ろくろっ首が、アブの大群に襲(おそ)われた。
⑦七福神 ― 最上川
七福神が大量の藻の髪に絡まっている
⑧ハチ ― 木曽川
八犬伝の面々が基礎工事の現場に突入した。
⑨オバQ ― 天竜川
オバQが、天竜(天に昇る竜)にまたがって空を飛んだ。
⑩盗賊 ― 阿賀野川
盗賊たち全員が、あがき苦しんでいる。
☆次は⇒ 大量暗記には、通い慣れた道順を利用するのが一番
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