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記憶術のやり方&脳の鍛え方 基礎結合法の応用技術/記憶術講座③
 基礎結合法の原理と具体的なやり方を教えよう
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基礎結合法の原理と具体的なやり方を教えよう

番地(アドレス)をつけて、イメージ連結する 

 

 基礎結合を何かにたとえるなら、学校などにある扉のない下駄箱のようなものです。順番に番号のついた箱の中に、持ち物(=覚えるべき項目)を入れる(=イメージ連結する)というわけです。

 すでに多くの方が、本サイト入門・基礎講座「暗記項目を順番通り、完璧に覚える基礎結合法」をご覧になって、基礎結合法がどういうものかはご存知と思いますが、復習を兼ねて最初に概略を説明しておきます。

 基礎結合法といえば、真っ先に「自分の体の各部分に、覚えるべきことを結びつける方法」を教わることになります。先のたとえで「下駄箱」に当たるものが体の部分で、頭のてっぺんから順番に番号をつけたものを「基礎表」と呼んでいます。基礎表には「体の部分」以外にもいろいろあり、自分でもオリジナルをたくさん作ることができますが、その説明は後回しにしましょう。まずは「体の部分」を一表にまとめました。

   基礎表① 体の部分
 1   頭  6   あご 11   下腹
 2   ひたい  7   首 12   股(また)
3   眼 8   胸  13   もも
4   鼻 9   みぞおち  14   ひざ
5   口  10   へそ  15   足

 この表を使えば、単語を15個まで順番に覚えることができるわけです。たとえば、①コップ、②リモコン、③豆腐、④鉛筆…と続く品物を順番に覚える場合は、

①頭 ― コップ →頭の上でコップをたたき割った。
②ひたい ― リモコン →ひたいにリモコンがはりついて取れない。

 …というような要領で、イメージ連結していけばよいわけです。

基礎結合法でつまずかないための3つの基本

 すでにイメージ連結の練習をしている人には、基礎結合法は簡単で、10単語程度は一発で覚えられるでしょう。しかし、記憶術の入門で最初にこの方法を教わった場合、「なるほど!」と思ってやってみると、あまりうまくいかないということがあります。それは最も基本となる2項目のイメージ連結がうまくできていないからです。そこで本講座では、イメージ連結法から始めることにしたのです。

 第二の基本は、記憶術応用のために必要なイメージ変換法が、ある程度分かっていることです。これは第2章でやりましたね。以上の2点が不十分な方だと、基礎結合法のトレーニングが途中からうまくいかなくなる可能性があります。急がば回れ。本章でつまずいたら、1章または2章に戻ることをおすすめします。

 さて、第三は「基礎結合法を受験対策に利用しようとすると、たくさんの基礎表を用意しなければならない」ということです。だれでも使える共通の基礎表はできるだけ多く紹介しますが、それだけでは実用には不十分で、自分だけのオリジナル基礎表を作らなければなりません。実はその点に個人差があるのです。

 「物事を早く覚えるために記憶術を使おうというのに、わざわざ表を作らされ、それを覚えなければならない」。よく聞く愚痴(ぐち)ですが、これは誤解に基づくものです。何の練習もしないで、理屈だけでサッカーやギターがうまくなれる……なんて思う人はいません。記憶術だってトレーニングが必要なのです。

すぐ使える短い基礎表

 まずは年賀状の季節になると意識する干支(えと)です。

   基礎表② 十二支
1  子=ねずみ 5  辰=竜 9  申=猿
2  丑=牛 6  巳=(へび)  10  酉=鶏
3  寅=虎 7  午=馬  11  戌=犬
4  卯=うさぎ 8  未=羊  12  亥=いのしし

 次は野球の守備位置と、曜日の順番です。

   基礎表③ 野球の守備位置
1   ピッチャー 6   ショート
2   キャッチャー 7   レフト
3   ファースト 8   センター
4   セカンド 9   ライト
5   サード  10   ベンチ
 
 基礎表④ 曜日
1   日(太陽)
2   月(三日月)
3   火(たき火)
4   水(水道)
5   木(立木)
6   金(金貨)
7   土(土砂)

 十二支の基礎表は、若い世代では順番があやふやになっている人もいるでしょう。この際、番号と共にしっかり覚えておくと便利です。なにしろ、個性豊かな動物ですから、イメージ連結がしやすいのです。

 野球の守備位置は、野球やソフトボールをしたことがなく、見ることにも興味のなかった人にはピンと来ないかもしれません。個々の守備位置に記憶項目を結びつけるには、グラウンドでの空間感覚が必要ですので、わざわざ覚えて使う必要はないかもしれません。

さっそく曜日の基礎表を使って覚えてみよう

 それでは基礎結合法の実践に入ります。まずは記憶術を使わなくても簡単に覚えられそうな例題からです。食品アレルギーというものをご存知だと思います。現在、27品目もの食品がアレルギーを起こす「特定原材料」として指定されています。その中でも特にアレルギーを起こしやすい「7大アレルゲン」を、上の「曜日の基礎表」で覚える例を解説します。

 例題1 次の7大アレルゲンを基礎結合法によって覚えてください。

 ①卵  ②牛乳  ③小麦  ④そば  ⑤落花生 
 ⑥えび  ⑦かに

例題1 覚え方の一例

①日 ― 卵  太陽から、巨大なが落下してきた。
②月 ― 牛乳  三日月の先端に、牛乳パックがぶら下がっている。
③火 ― 小麦  たき火の火を、小麦粉をかけて消した。
④水 ― そば  水道の蛇口から、そばが流れ出てきた。
⑤木 ― 落花生  の枝という枝から、落花生が落下した。
⑥金 ― えび  (輝く大きな)金貨を、エビが尻尾ではじいた。
⑦土 ― かに  土砂の中から、大きなカニが飛び出した。

 イメージ連結で気をつけることを述べますと、まず「牛乳」は液体のままでは他と区別しづらいので「牛乳パック」とします。⑥⑦のエビとカニは、ハサミだけを強調せずシルエットを頭に描きましょう。⑤の「落花生」は、イメージできない人のために、「落下した」とダジャレの蛇足を加えました。

覚えやすい数え歌風の基礎表

 この他、苦労なくすぐに覚えられる基礎表として、数え歌風のゴロ合わせがあります。すでに入門・基礎講座の「順番通り覚える基礎結合法」で紹介しましたが、改めにここに「基礎表⑤⑥として」再掲しておきます。短い項目を抜けることなく順番に覚えるのに重宝します。

   基礎表⑤ 数字と食べ物
1   イチゴ 6  ロック(ウイスキー)
2   肉 7  七味唐辛子 
3   サンマ 8  はちみつ
4   シイタケ 9  キュウリ
5   ご飯  10  豆腐
   基礎表⑥ 数字と物語のキャラクター
1   一寸法師 6   ろくろっ首
2   人魚 7   七福神
3   三蔵法師 8   八犬伝
4   死人(ゾンビ) 9   Qちゃん(オバQ)
5   ゴジラ  10   盗賊(アリババ)
 次は⇒ 基礎表を使って記憶術の威力を試してみよう!
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