こうすれば忘れないイメージ連結法の練習
記憶術では、関連する2つの言葉を覚える場合、言葉を視覚的に頭に描き、鮮烈なイメージで連結するという方法をとります。これが威力を発揮するかしないかは、ひとえに頭の中に強いイメージが描けるかどうかにかかっています。すでに説明したように、「イメージをマンガチックに連結する」というのも、大事なコツの一つです。ここでは、2つの単語をイメージでしっかりと結びつけて覚える練習をします。
頭の中に情景をしっかり描こう
イメージ連結法で大切なことは、言葉で考えるのではなく、実際にそうしたことが起こったと考えて、頭の中にイメージを視覚的に描くことです。例を2つほど挙げて説明しましょう。ミシン ― カボチャ
(イメージの一例)
ミシンがカボチャにのしかかり、針をチクチク指している。

巻尺 ― 砂漠
巻尺が砂漠の中を、どこまでもするすると伸び続けている。
巻尺はできるだけ大きくイメージするのがコツです。そうすることによって「巻尺」といえば「砂漠」のイメージがすぐに浮かぶようになります。それでは、以上をお手本にして、次のトレーニング問題にチャレンジしてください。
イメージ連結法・2単語連結の練習問題
次のペアの単語を、上の要領でイメージ連結し、強いストーリーを作ってください。 ①カラス ― テレビ ②クワガタムシ ― バス ③のこぎり ― 自転車 ④ラクダ ― 煙突 ⑤サボテン ― 双眼鏡 ⑥ラーメン ― トランペット |
6つのイメージ連結を終えたら、覚えているかどうかを確認してください。あらかじめ「①カラス」から「⑥ラーメン」まで左側の単語だけを紙に書いておき、順番にイメージを再現していきます。次に上の練習問題のイメージ連結の解答例を示しておきます。
(2単語イメージ連結の一例)
①カラスがテレビをおんぶしている(または、テレビを口にくわえている)
②(巨大な)クワガタムシがバスをひっくり返した。
③のこぎりが自転車をギコギコと切断している。
④ラクダが煙突のてっぺんに乗っている。
⑤サボテンが双眼鏡をのぞいている。
⑥ラーメンがトランペットの口からずるずると出てきた。
以上のように現実にはありえないような状況でも、マンガの世界では自由自在です。何度も練習しているうちに、突飛な発想ができるようになってくるでしょう。なお、あなたの描いたイメージが上の解答例とかなり異なっていても、それは当然です。イメージに絶対の正解はありません。あなたの描いたイメージで忘れなければ、それが正解なのです。
平凡なイメージは忘れやすい
記憶術で気をつけなければならないのは、イメージの連結が平凡になってしまうことです。例えば、上の練習問題①②で次のような平凡なイメージを描く場合です。(イメージ連結の失敗例)
①カラスがテレビの上に乗っている。
②クワガタムシがバスの窓にひっついている。
どちらもめったにないことかもしれませんが、ありえない話ではありません。強烈なインパクトがなく、事件性がゼロです。このような平凡なイメージでは、直後は覚えていても時間とともに印象が弱まり、忘れやすいのです。記憶術では、空想の世界を自由にはばたくことが大事です。
☆NEXT「連想力を鍛える2つのトレーニング法」
トップへ HOME