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イメージできない言葉のイメージ化/入門4

ダジャレは侮れない

 ダジャレは、今では「おやじギャグ」などとバカにされますが、昔は落語や漫才には頻繁(ひんぱん)に出てくる、一つの芸でした。ダジャレがつまらないのは、誰もが思いつく程度のことを、いかにも用意してきたように得意げに言うからです。また、ダジャレがウケけるかウケないかは、その中身だけでなく、話の流れの中で差しはさむタイミングとか、言う人のキャラクターも関係するようです。

 それはともかく、ダジャレは考えれば誰でも思いつくからこそ、記憶術に利用できるのです。そこであなたにもひとつ、つまらないダジャレを考えていただくことにしました。

 次に並べた名前は、有名な西洋の画家の名前です。その音感から連想する日本語に置き換えてください。といっても、そのまま日本語ですね。

 ミロ  クレー  マネ  ノルデ

 漢字混じりで書くとこうなります。

 見ろ  くれぇ  真似  乗るで

 これはうまくでき過ぎ。そんなに都合よく日本語になる名前ばかりではありません。そこで…

2分割・語呂合わせ法

次の巨匠(きょしょう)の名前は、うまくゴロ合わせできますか?

 ユトリロ  カンディンスキー  シャガール  モディリアニ

 そのままでは日本語になりませんね。でも、部分的には日本語らしき単語がちらほら見えてきます。そこで、次のように2つに分解してみるのです。

・ユトリロ → ゆとり/炉
 「ゆとり」のある「炉」ばたで、ユトリロはパリの街を描いているのです。

・カンディンスキー → 肝心/スキー
 才能ある絵描きさんなのに、「肝心」の絵を描かず、「スキー」ばかりしている人なのですね(本当は違いますよ。念のため…)。「カンジン」は少しなまりました。

・シャガール → 写/ガール
 ガール(ギャル)ばかり「写」している人です。実際のシャガールも、牛やニワトリ、バイオリンなど共に、花嫁姿のガール(レディ?)が空に浮かんでいる絵をたくさん描いています。

・モディリアニ → もじり/兄
 何をもじったのかわかりませんが、とにかく兄をもじったのです。ちなみにモディリアニが好んで描いた裸婦は皆、デフォルメ(誇張)されて、体がよじれています。えっ、「もじり」と「よじり」は違うって? う~ん、似ていると思うんだけどなあ…。

 「2分割・語呂合わせ法」で、何とかうまくいったでしょう。でも、うまくいきそうな名前だけを集めたんじゃないの? なんて、突っ込まれそうですね。その通り。半分は当たっています。でも、ちょっとした技法を使うと、とてもゴロ合わせが無理だと思うようなカタカナ語でも、「日本語」になるのです。今の段階では、2つに分解すると日本語化しやすい単語で練習するのが、技術習得に効率的です。やさしい基礎技術を身につけた後で、それらを組み合わせた複合技へ進む。これは記憶術に限らず、スポーツや楽器演奏でも同じことです。

●例題 次の固有名詞を「2分割・語呂合わせ法」で、うまく日本語のイメージにしてください。

 ①テレマン    ②ヘンデル      ③クープラン    ④メシアン  
 ⑤ナウル     ⑥キリバス       ⑦ツバル      ⑧ジャマイカ
 


●例題の解答例

 ①~④は西洋バロックから現代までの作曲家、⑤~⑦は南太平洋の小さな島国の名前、⑧⑨は中米の国名です。初めて聞く名前だった場合の、覚え方の一例を示します。

①テレマン
 「照れ・マン」(男)。誰でも思いつきますが、もう一つ、TELE-MAN(電話男)というのもあります。電話機の顔をした男をイメージすると強烈です。
②ヘンデル
 「変・出る」。変な感じで出る人です。
③クープラン
 「食う・プラン」はおいしそう。「空・プラン」意味は分かりますが、イメージしづらいかもしれません。
④メシアン
 「飯・あん」。ご飯にあんこをかけるなんて…。意外に合うかも。
⑤ナウル
 「名・売る」。有名になること。それとも命名権がらみ?
⑥キリバス
 「霧・バス」。霧の中をバスが走る島。絵になる美しいです。
⑦ツバル
 「唾(つば)る」。名詞の動詞化。勝手に言葉を作ってもよいのです。
⑧ジャマイカ
 「じゃま・イカ」で決まり。「じゃ・ま・いーか」は視覚化が難しくて損。
⑨コスタリカ
 「こすった・リカ」。リカの候補は、理科の教科書、リカちゃん人形、里香さん。

 なお、すでにその名を知っている場合でも、他の単語と結びつけるときにゴロ合わせでイメージ化することがあります。その場合、頭の部分だけゴロ合わせで済ますこともできます。たとえば、キリバスなら「霧」、ジャマイカは「じゃま」、コスタリカは「こすった」とするだけでも、あらかじめ外国の地名と分かっていればすぐに思い出せます。イメージの連結はできるだけシンプルに、回数を減らせればそのほうがベターなのです。
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